鼻がムズムズ、目がかゆい、何となく体がだるい、といったことはありませんか?
もしかしたらそれは花粉症かもしれません。近年、花粉症の人口はどんどん増加しています。
一度かかってしまうと、一生のお付き合いと言われる花粉症。少しでもその症状を楽にしたいところですよね。
今回は、花粉症の四大症状について、症状別対策をお話しします。
花粉症とは
その名の通り、植物の「花粉」が原因で起こる症状の総称です。
涙や鼻水、咳が出たりしますが、全てアレルギー反応です。季節性アレルギー性鼻炎とも言われ、人によっていつ症状が出るかは変わります。それは、どの植物の花粉に反応するかが違うからです。
最も多いとされるのは、スギ花粉症です。なんと日本人の3人に1人がスギ花粉症と言われています。
花粉症になるきっかけ
花粉が身体の中に入ると、抗体(IgE抗体)が作られます。そして、その抗体が免疫に関連した細胞(肥満細胞)にくっつきます。
IgE抗体と肥満細胞がくっつくということを繰り返して増えていくと、花粉症を発症するのです。
それまで全く花粉なんて平気だったのに、ある日突然涙や鼻水が止まらなくなり、病院へ行ったら花粉症だと診断された、という人が多いのはそれが理由です。
花粉症の症状別対策
実際の症状を紹介しながらその対策についてお話していきましょう。今回は代表的な四大症状についての対策法をご紹介いします。
1.目のかゆみ
これは、花粉が目に入ってアレルギー反応を起こしている状態です。
かゆみは我慢しにくいものです。目を引っ搔いてしまって傷がついたり、細菌が目に入ったりするかもしれません。そんな目のかゆみに対する対策は、2種類あります。
メガネ着用
まず一つ目は、花粉症対策メガネの着用です。目元をすっぽり覆う形になっているのが特徴です。
最近では、花粉症対策メガネを販売するショップも増えてきました。おしゃれな形のものから機能性重視のものまで様々です。
そういった花粉症対策メガネをかけることによって、目に侵入する花粉を減らすことができます。
点眼薬の使用
もう一つは、アレルギー用目薬です。2種類あります。「メディエーター遊離抑制薬」と、「抗ヒスタミン薬」です。
◆メディエーター遊離抑制薬◆
メディエーター遊離抑制薬は、肥満細胞に働いて炎症を起こす物質が出にくくなるように働きかけます。
予防的な効果も期待できるので、シーズンに入る少し前から使用し始めることをお勧めします。
◆抗ヒスタミン薬◆
一方の抗ヒスタミン薬は、炎症を起こす物質であるヒスタミンの働きを抑えて症状を軽減するのに役立ちます。
こちらの目薬は、即効性があり症状を抑える効果が高いです。
これらの目薬を使い分けることで、目のかゆみを軽減することができます。
ただし、コンタクトレンズを装着中には使用できないものがありますので、説明書をきちんと読んでお使いください。
2.鼻炎症状
花粉症で特に困るのが、鼻関係ではないでしょうか。
鼻水やくしゃみが頻発してしまうのは、鼻に花粉が入り込み、その花粉を排除しようとして体がアレルギー反応を起こしているからです。
ですから鼻に花粉が入らなければ良い訳ですから、マスクが効果的です。
マスク着用
マスクを着用することによって、花粉が鼻に侵入しにくくなるからです。
最近では、マスクにも様々な種類のものがあり、長時間付けていても耳の付け根が痛くなりにくいものや、小顔に見えるもの、化粧崩れがしにくいものなど豊富です。
さらに、鼻元に塗るタイプのマスクも販売されるようになりました。マスクを着用することに抵抗のある方にはこういった方法もお勧めです。
3.鼻づまり・鼻水
鼻元温めてメントール
鼻づまりがひどい時には、ハッカ油をマスクに2滴程度垂らして使う方法をお勧めします。
ハッカ油は普通のドラッグストアで売られていますし、そんなに高いものでもないので簡単に手に入ります。
ハッカはスーッとした香りで鼻の通りをよくします。ただ、つけすぎると涙が出るほどの効果がありますので、つけすぎにはご注意ください。
もう一つの方法は、鼻元を温めるというものです。鼻元をホットタオルで温めると、鼻や周りの血流が良くなります。すると鼻腔が広がり鼻づまりが改善されます。
首元を温める
鼻づまりと同様に鼻元を温めて鼻腔を広げるという方法が効果的ですが、身体を温めるという方法もあります。
入浴などで身体を温めることによって、全身の血流が改善されます。もし、入浴する時間がない時は、首元を温めましょう。
なぜ首元かと言えば、首元には体の血流を良くするツボがあるからです。
首元を温めるだけで、まるでお風呂に入って温まったかのような効果が出ます。
また、外出中や仕事中などで首元を温めることができない場合には、ストレッチがお勧めです。
ストレッチすることにより全身の血行を改善することができます。
4.くしゃみ
くしゃみは時と場所を選びません。くしゃみもまた、鼻に花粉が入った時の症状の一つです。くしゃみが続く時に効果的なのは、小鼻の脇にあるツボ押しです。
小鼻の脇のツボ押し
小鼻の脇には「迎香(げいこう)」というツボがあります。そこを5回程度押さえると、くしゃみが止まります。
また、鼻の下を強く抑えることによって、くしゃみを出そうとする神経の伝達をストップするという方法もあります。
終わりに
代表的な四大症状についての対策をお話ししました。症状対策はいろいろありますが、押さえておきたい重要な点は、花粉に触れる機会を少なくするというところです。
花粉の多い季節には、サラっとした素材で花粉が付着しにくい衣類を着る、帰宅時には、玄関先で花粉を払い落として中に入るといった対策が大切です。
また、花粉が多く飛んでいる日には、なるべく洗濯物やお布団の外干しを控える、取り入れる時にはしっかり花粉を払い落とすといった点も大切です。
耳鼻咽喉科やアレルギー科では、予防接種や内服薬治療による花粉症対策を行っているところがあります。
予防接種は、花粉症のシーズンに入る前に接種する必要があります。
内服薬も最近では眠くなりにくいものが使われるようになってきています。
症状がひどい場合や苦痛に感じる方にはその方法もお勧めです。
対策をいろいろやってみたけど効果がない、症状がひどいといった場合には、他のアレルギーや病気の可能性も考えられます。
そういう時はそのままにせず、アレルギー科や耳鼻咽喉科などできちんとした診断をしてもらった方が良いでしょう。