思春期を迎えたお子さんへの接し方は難しく、多くの親御さんが頭を抱える時期です。
思春期は男性ホルモンが増え、心も体も大人へと変化する時期なのです。ここでは、そんな思春期のお子さんへの接し方についてご紹介します。
目次
思春期とは?
まずは、思春期について知っていきましょう。
思春期とは、11歳から18歳ころまで続く第二次性徴をきっかけに始まる、心も体も不安定な時期を指します。体が一気に大人へと変化するにも関わらず、心はゆっくり大人へと変わっていくので不安定になりやすいのです。
思春期に起きやすい心理傾向についてご紹介します。
親と距離を置きたがる
自分のことを客観的に見るようになるので、教師や親に対しても同様の視線を向け、何かと批判的になります。自立心が芽生えるので、干渉を嫌うようになるのです。ですが、完全に放置されると見捨てられたとすねてしまったり、矛盾した言動が目立つこともあります。
見た目の変化に戸惑う
思春期の体は二次性徴を反映し、女子は乳房が発達したり、男子は精巣が増大したりといった変化が起きてきます。思春期の子供は、こういった体の急激な変化に戸惑いを覚えていきます。
異性への関心が高まる
二次性徴を迎える時期は、異性への関心が高まる時期でもあります。悩み事も増え、情緒不安定になりやすくなるのです。
友達との関係が変化する
思春期は親より友人を優先するようになります。ですが、その一方で友人との関係も複雑化することが多く、悩み事が増えていくでしょう。
本質への関心が高まる
思春期になると「なぜ人は生きているのか」「なぜ勉強をするのか」というような本質を突く疑問を持つようになります。そのため、1人で悩んだり考えこむことがどんどん増えてしまいます。
反抗期について
つぎに、思春期と切っては切り離せない反抗期について詳しく知っていきましょう。反抗期には第一次反抗期と第二次反抗期があります。この二つの反抗期の特徴についてご紹介します。
第一次反抗期
子供は2~3歳ころで一度目の反抗期を迎えます。
人の言うことを聞かない、世話をされると機嫌が悪くなるといった反応をするようになります。そのため、この時期はイヤイヤ期などと呼ばれることもあります。
ほとんどは、嫌がる内容に一貫性がなく、何を言われても「いや!」と断られる具合です。たとえば、「お風呂に入ろう」と呼び掛けても「いや!」と反抗し、「じゃあ後で入ろうか」と問いかけても「いや!」と全てに対して反抗的になる場合もあります。
これは、乳児期が終わり自我が芽生え、自分の意志で体を動かせるようになったことで、今までのなされるがままの状況を嫌うようになったことが原因です。自分の行動を自らの意思で実行してみようと試みているというわけなのです。
第二次反抗期
中学生から高校生の思春期を迎えると、心がどんどん大人へと変化し、自己決定権を自分で確保したいと強く思うようになります。
そのため、両親から干渉されると「うるさい」「親には関係ない」という反応を示すことが多くなるのです。
親からすると急にどうしたのかと思うかもしれませんが、これは成長や自立へのプロセスで非常に自然なことなのです。
思春期の子供への接し方のポイント
思春期は、悩みを持ちやすい時期であるとともに、自分を客観的に見つつ、他者に批判的な見方をするようになる時期でもあります。
そのため、両親に対しても批判的になり、反抗的な態度をとることが多くなるでしょう。
思春期の子供の親としては、そういった時期を良く理解し、ある程度子供の意思を尊重してあげることが大事です。ですが、子供の言い分は理解しつつ、そのすべての要求を受け入れる必要はないのです。時には、親として厳しい態度で接することも忘れないようにしましょう。
親は子供から逃げずに向き合いましょう
子供が成長していくうえで最も大切にしたいのが、親と子の信頼関係です。
信頼しあう上で大事なのは、互いの立場や意見を尊重しあう関係になることです。思春期になると様々な悩みが増えるため、親子関係がギクシャクしがちです。だからといって子供から親が逃げては、信頼関係が壊れてしまいます。
難しい時期だからこそ、しっかり向き合っていきましょう。
常に笑いのある温かい家族を目指しましょう
大人になることに魅力を感じている子供は、前向きで幸せな人生を送れるでしょう。
子供が大人に魅力を感じるために大切なのは、親に基軸があり、家族を大切にして笑顔の絶えない生活を送ることです。子供が思春期でイライラすることが多くても、親が常に笑ってどっしり構えていれば子供も安心できるでしょう。
「そんなものさ」の精神でいきましょう
子供が思春期になって反抗的な態度を示すようになったら、自分の育て方が間違っていたのか…と悩んでしまう方もいるでしょう。
しかし、そんなに落ち込むことはありません。これまで十分に愛情を注いでしっかり信頼関係を築き上げてきたからこそ、子供は親に遠慮しないで批判したりぶつかってくるのです。思春期で子供が反抗的になっても、「そんなものさ」と考えすぎないことです。
思春期の子供は、一生懸命にアイデンティティを築いているところです。
その大事なプロセスで、親に反抗したり不安でイライラしたりしているのです。保護者から見ればつらい時期かと思いますが、それ以上に子供は自立に向かってもがいていることを忘れてはなりません。親として出来るだけ気持ちに余裕をもって、子供が大人への一歩を踏み出す姿を温かく見守ってあげましょう。
まとめ
いかがでしたか?
お子さんの思春期は親にすれば難しく、悩み事が増える時期かもしれません。戸惑うことも多い時期ですが、保護者として気持ちにしっかりと余裕を持ち、お子さんの不安や戸惑いを減らしてあげる努力をしていきましょう。
思春期のお子さんに対して、「成長の芽をつまない」という気持ちを持ち、冷静に話すことが大切です。
思春期や反抗期は永遠に続くわけではなく、いつか終わるものです。
その間少々ぶつかったとしても、親子関係にひびが入るものではありません。お互い疲れないように、上手に距離を保ちながら向き合うように頑張っていきましょう!