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冬のだるさは「うつ」が原因かも!?冬季うつ病の原因と解決方法

冬になり日照時間が短くなると、何となく体がだるくて、気力が衰えるなどの症状に襲われることがありませんか。

この症状は冬季うつ病とも言われ、日照時間が減ることで発症しやすくなります。

朝、太陽の光を浴び簡単な運動をおこなうなどで予防と改善が期待できます。

冬季うつ病の症状

「季節性感情障害」とも言われる冬季うつ病は、毎年日照時間が短くなる時期に症状が現れ、3月頃になり日差しが長くなると回復するという傾向にあります。

その症状は、一般的なうつ病のように、体のだるさや、やる気のなさ、疲労感などの症状に加えて、過眠や過食気味になります。

しかし、体のだるさや気力の低下などだけで冬季うつとは断定できません。

次のような症状に当てはまるかどうかをチエックしてみましょう。

◆思考力が低下する。
◆何事にも興味がなくなる。
◆眠れない、または眠り過ぎて起きられない。
◆体重の減少や増加が大きい。
◆死んでしまいたいと思うことがある。
◆一日中眠い。
◆炭水化物や甘いものが食べたくなる。
◆不安感やイラつきが取れない。
◆肩こりがひどい。

以上のような症状が冬になるとおき、その症状が2年以上続いている場合は、冬季うつ病かもしれません。

不安な場合は、精神科などの専門機関で診察を受けるとよいでしょう。 

冬季うつ病とセロトニンとメラトニンの関係

冬になり日照時間が短くなると、セロトニンの分泌機能が低下します。

セロトニンは、精神を安定させたり、食欲を抑制したりする働きがありますが、うつ病とセロトニンの分泌には関係があり、太陽光をその日の朝浴びるだけで、脳内セロトニンの分泌が順調におこなわれます。

日照時間が短くなると太陽光の刺激が少なくなり、脳内物質のセロトニンが減少し、脳の活動が低下します。

脳内物質セレトニンの生成を補うためには、必須アミノ酸トリプトファンを摂取することが大切です。トリプトファンを含むプロセスチーズ、バナナ、豆乳などですが、これらの食品を意識的に取ることも必要です。

また、セレトニンはリズム運動でも分泌します。

ウオーキングの時に吐いて吐いて、吸って、吸ってをリズム良く行うだけでもセレトニンが分泌しやすい体になります。

熱いシャワーを浴びることでもセレトニンが分泌します。

太陽光を浴びれない日は、朝に熱いシャワーを浴びたり、軽い運動をすると良いでしょう。

睡眠ホルモンともいわれるメラトニンは、太陽光を浴びてから14~15時間たってから分泌が始まりますが、深夜の2時頃がピークとなります。

それ以後徐々にメラトニンの分泌が減少し、太陽光を浴びると、メラトニンの分泌が止まり、脳が睡眠状態から覚醒状態へと切り替わります。

この切り替えが上手くいかないことも、冬季うつの原因のひとつといわれています。

冬季うつ病の改善方法 

冬季うつ病は日光不足が原因のことが多いため、高照射療法(光を浴びさせる)を中心に治療を受けます。

朝日が少しでもあたる日は、朝日を浴びるだけでも改善できるといわれています。

冬季うつの治療法は、2,500~3,000ルクスの光を2時間あてるか、5,000~10,000ルクスの光を30~60分あてます。

この治療を毎朝くり返すことで、冬季うつの場合は50~60%の人が改善できたという結果がでているようです。

仕事などで毎日の通院が難しい場合は、家庭用の光刺激装置器具も販売されています。

自分でできる改善方法

春になると治るので大丈夫だろうと自己判断で対処するのはよくありませんが、生活習慣を整えると改善することもあります。

その代表的な方法が、朝は日の出とともに起きて、ガラス越しにでもいいので日光浴をすることです。

冬季うつ病のほとんどが、日光不足によると考えられるからです。

雨の日は、蛍光灯の光でもいいので浴びましょう。

日本人の10人に1人は、冬季うつの症状が多かれ少なかれあるといわれています。

自分は冬季うつ病ではないかと思い悩むより、なるべく日光に当たるようにして、それでも改善できないなら、早めに専門機関を受診することが大切です。

体がだるいからといって午前中寝ていると、セレトニンメラトニンの分泌がうまくいかず、ますます体調が悪くなり悪循環に陥ります。

自律神経が原因でうつ症状に似た症状が現れることもあります

突然動悸が激しくなったり、呼吸がしにくくなるなどは交感神経の過度な緊張で起こる症状ですが、自律神経のバランスが崩れることで、このような症状がおきます。

季節の変わり目に肩こりや頭痛、不眠などの症状が現れるのは、自律神経が乱れが原因のことがありますが、この症状は冬季うつ病とよく似ています。

自律神経失調症とうつ病の違い

自律神経失調症もうつ病もストレスが原因と言われますが、自律神経失調症は自律神経のバランスが乱れて症状が現れる病気で、うつ病は脳内の神経伝達物質の分泌異常が原因と言われています。

しかし、うつ病の発病と自律神経失調症とは大きくかかわっており、ふだんから自律神経を整えておくことが大切です。

自律神経失調症とうつ病の関係は、原因は異なるものの自律神経が乱れると、うつ病になりやすいことは確かなようです。

うつ病の特徴としては、朝方に強い症状が現れ、夕方になるとおさまるのが特徴です。

うつ病も自律神経失調症も体内時計が規則正しく働く様に、早寝早起きを心がけバランスのとれた食事と適度な運動をすることが大事です。

冬季うつ病は冬だけに症状が起きるため、うつ病と気づかずに、だらしがないと自分を責めてしまいがちです。

特に冬季うつ病は、春になれば症状が治まるので、本人もまわりの人も気付きにくいことが多いようです。

しかし、毎年繰り返すようなら、カウンセリングを受け、薬物療法・精神療法・代替療法などの治療を受けるようにしましょう。

終わりに

冬季うつ病の予防は、朝起きて日光を浴びることです。

雪国などでは太陽の出ない日が続くため、冬季うつ病になりやすいといわれています。

太陽光に近い光を発する家庭用の光刺激装置器具が販売されているので、購入して自宅で

光を浴びると、セレトニンメラトニンの分泌を正常にする働きが期待できます。

また、簡単なラジオ体操やリズム運動をしたり、お湯にゆっくりつかるのもセレトニンやメラトニンの分泌を促します。

たまにはスーパー銭湯や温泉などで体を温めて、気分転換をはかるのもよいでしょう。