紫外線対策は季節に関係なく必要です。
太陽が地表にもっとも近くなる夏の10時~14頃までが紫外線の影響をもっとも受けやすいことは広く知られています。
では雲が厚い曇りや雪の日にもUVAという紫外線は弱まることなく降り注いでいることはご存じでしょうか?
正しい知識を知らなければ適切な対策はできません。
確実にシミを予防・改善するために、紫外線の種類やメカニズム、おすすめの対策方法をご紹介します。
目次
紫外線とは?
紫外線は太陽光の一種ですが、目には見えません。
目に見える光を可視光線、見えないものを紫外線と呼びます。
紫外線はUVC、UVB、UVAの3種類に分けられます。
先頭から紫外線の波長が短い順(エネルギーが強い順)ですが、UVCは大気圏で弱まり人間の肌には届かない紫外線なのでここでは説明を省きます。
私たちが積極的に対策しなければならないのは、人間の肌に届くUVBとUVAの2つです。
両者は波長の長さと、肌に与える影響に違いがあります。
UVB
地表に届く紫外線の全体量を100とするとUVBはそのうち5~10%ほどしか占めていません。しかしそれは影響が少ないということではなく、肌の表面(表皮)へのダメージはいくつかあります。
たとえば、サンタンとサンバーンが代表的です。これらは一般的に日やけと呼ばれますが、サンタンは肌に痛みはないがメラニン色素によって褐色になる状態、サンバーンはヒリヒリとした痛みがあり炎症を起こしている状態です。
UVAに比べて波長が短いので表皮へのダメージでとどまりますが、シミの原因や細胞傷つける要因となるので対策は必要です。
UVA
シミやシワ、たるみの大きな原因となるのがUVAです。紫外線の全体量の90~95%を占めます。UVBに比べるとエネルギー量は弱いですが、波長が長く肌への浸透力が高いという特徴があります。
つまりダメージが肌の表皮にとどまらず、その奥の真皮にまで及びます。コラーゲンやエラスチンといった肌のハリや弾力性を保つ組織を破壊してしまうので、次第にシミやシワという形で外見に現れることになります。
紫外線によって起こるこうした症状を光老化と言います。
雲や窓を通り抜けやすく人の肌に届きやすい紫外線であるため、太陽が出ていない日でも油断しないことが大切です。
シミのメカニズム
適切な対策ができるようにシミのメカニズムについても知っておきましょう。
主に3つのステップで発症します。
ステップ1:紫外線で活性酸素が発生
活性酵素には肌を菌から守る役割がありますが、紫外線を浴びることによりその量が過剰に増えることになります。
増えすぎた活性酸素が不飽和脂肪酸という物質と結びつくと、酸化により過酸化脂質となります。
過酸化脂質はシミやシワなど老化の原因です。
ステップ2:メラニンの生成
さらに紫外線が真皮層まで進入すると、メラニン(色素)を作るメラノサイトが反応し活発化します。
作られたメラニンが溜まっていくと、紫外線から肌を守ろうと肌の表面へ集まります。
メラニンは固まると褐色となるのですが、これがいわゆる日やけの状態です。
ステップ3:ターンオーバーの機能不全
褐色肌は通常、肌の生まれ変わり機能であるターンオーバーによって新しく白い肌に変わります。
ターンオーバーの周期は約30~50日ですが、加齢やホルモンの異常などによって遅れたり弱まったりすることがあります。
また紫外線を浴びすぎると過剰に作られたメラニンが溜まります。
肌の内部にメラニンが溜まっているのにターンオーバーが適切に行われない。この状態が、メラニン色素沈着によるシミが発生するメカニズムです。
このようなステップで発症したり悪化したりするシミの種類には、老人性色素斑、雀卵斑(そばかす)、光線性花弁状色素斑といったものがあります。
3つのおすすめ対策方法
日やけ止め
選び方のポイントはSPFとPAの値です。
SPFはSun Protection Factor(サン・プロテクション・ファクター)の略で、右隣に表記されている数字が高いほど効果があります。
数字の意味ですが、たとえばSPF1と表記されている場合は、「何もつけていない肌に比べて約20分間、日やけを遅らせることができる」ということです。
SPFでは20分が基準単位で、SPF2であれば20分×2=40分、SPF30であれば20分×30=600分(10時間)の間、日やけ止め効果があることを表します。
効果を発揮するのはサンタンやサンバーンを発症させるUVBに対してです。
PAはUVAに効果を発揮します。右隣の+(プラス)の数が多いほど紫外線防止効果が期待できるという意味です。全部で+、++、+++、++++の4つがあります。
細かい使用方法は商品によって異なりますが、クリームの場合は手のひらで円を作りながら塗り込みます。
人気のスプレータイプはスプレーを満遍なく噴射してから、クリーム同様、円を作りながら塗り込みます。両方とも、少しずつ取り重ね塗りをするとより効果的です。
またUV効果のある化粧品も重ねて使用すると、相乗的な紫外線防止効果が期待できます。
対策グッズ
サングラス、カーディガン、日傘、帽子、アームカバーなど様々な紫外線対策グッズがあります。それぞれにUVカット性能が付いている商品があるので、日やけ止めとともに活用しましょう。
近年では、傘や帽子などのグッズに直接スプレーをかけてUVカットを行うものや車や家のガラスにフィルムを張り付けるタイプもあるのでお勧めです。
食べ物
シミやシワなどの抑制する働きのある食べ物と栄養素は次のようなものです。
- 果物類…ビタミンC
- 緑黄色野菜…ビタミンE、βカロテン
- 乳製品…ビタミンB2、カルシウム
- 魚介類…亜鉛、EPA、DHA
これらの栄養素からは、血行促進により新陳代謝を促すことでターンオーバーを正常化したり、溜まったメラニンの色素を薄めたりする効果が期待できます。
また果物類や緑黄色野菜、その他大豆や海藻類には抗酸化作用のある物質が含まれています。
メカニズムで説明した通り活性酸素による酸化はシミの大敵ですので、これらの食べ物も非常に有効です。
まとめ
いかがでしたか?
詳しく説明はしませんでしたが、紫外線は重度の皮膚炎、日光アレルギー、皮膚がんといった深刻な病気も誘発します。症状はすぐに表れず、数年後・数十年後に発症することも珍しくありません。
シミ対策としてだけでなく、体全体の健康を長期的に守るためにも紫外線対策は大切なのです。