ホットフラッシュは気温の変化には関係なく急に大量の汗をかく現象です。
特に身体を動かしたという訳でもないのに顔や首筋、背中などの上半身から洋服が濡れてしまうほどの汗が噴き出てしまうのです。
頭に血が上ったような感覚になり顔も赤らむことがあります。
場所やタイミングを問わず人前でも突然起こるもので、一緒にいる相手に心配されてしまうことも多いのです。
「大丈夫ですか?」と聞かれると恥ずかしくなり、さらに汗がでてきてしまうということもあります。
更年期と呼ばれる45歳~55歳の年齢の方の40%~70%にも及ぶ方が、ほってったようなのぼせたような感じになるホットフラッシュという症状に悩み苦しんでいると言われています。
タイミングを問わないのでもちろん日中のみならず夜寝ている時にも大量の汗や身体の熱を感じることによって、日常生活に大きな支障をきたすこともあるのです。
更年期症状の一つ
ホットフラッシュは更年期によく見られる症状の一つです。
急に顔がほてったり、のぼせた状態になったりさらに大量の発汗が見られる状態のことを言います。
こうした症状は通常精神的に動揺したときや、激しい運動を行ったときに生じるものです。
しかしホットフラッシュではとくに理由はなく、しかも何の前触れもなく生じるケースがほとんどなのです。
ホットフラッシュと言えば顔のほてりが一般的ですが、人によっては顔だけでなく頭部・胸元・背中・首の後ろ・手足など全身が熱くなることもあります。
顔から滝のように汗が大量に流れて止まらないことや、夜中寝ている間に布団がぐっしょり濡れるほど汗をかいて目が覚めることなどがあります。
個人差はありますがホットフラッシュの症状が起こる所要時間は1回に30秒~10分ほどと言われています。平均すると4分ほど続いてしまうといわれています。
しかし中には30分以上も続いてしまうという方もいらっしゃいます。
発症の頻度も一定しておらず、週に数回しか起こらないこともあれば1日に何回も起こってしまうこともあります。
なによりも一番厄介で不快なことは、いつどのような時に起こっていつ終わるのか全く予想ができないということです。
一般的に更年期は閉経を迎える前後の10年間程の期間を言います。
しかしもっと早くからホットフラッシュが起こることもありますし、いったんおさまって何年か経過した後にホットフラッシュが再発することもあるのです。
ホットフラッシュはなぜ起こる?
ホットフラッシュといえば更年期障害を思い浮かべる方が多いと思いますが、実はホットフラッシュは更年期の方だけに起こるとは限りません。
女性の更年期以外にも、自律神経失調症や男性更年期、パニック障害や極度の疲労などによっても引き起こされる不快症状です。
ホットフラッシュは脳が過剰に興奮した状態になることで起こります。
脳が過剰に興奮することによってホルモン系が一時的に活発になり、血圧や血糖値が上昇することで顔が赤くなったり、汗が出てきたりなどの不快症状が発生してしまうのです。
そもそも脳が興奮する状態ということにピンとこないという方も多いかと思います。
自分自身が興奮する状況にはないのにも関わらず脳が過剰に興奮してしまうのはなぜでしょうか。
- 過剰なストレスによって興奮しやすい状態になっている
- 急に体の栄養状態が悪化もしくは慢性的に栄養状態が悪化している
- 疲れやストレスが溜まる事、栄養不足などによって体力が急激に悪化している
このようなことが原因として考えられます。
ストレスは自律神経を乱す
自律神経は、活発に活動しているときに働く交感神経と、お風呂に入っているときやマッサージを受けているときなどリラックスしているときに働く副交感神経の2つの神経から成り立っています。
ストレスを溜め込んでしまったり過度な緊張を感じ続ける状態が続くと、交感神経ばかりが働いてしまい、副交感神経とのバランスが乱れてしまいます。
自律神経が乱れると血管が拡張してしまうことによってほてりが発生します。
また、手の先やつま先にある血管は閉じてしまいやすくなることで血流が悪くなり、身体が冷える原因にもなるのです。
ほてりや冷えの症状が悪化する前に、身体をリラックスさせる休息の時間をしっかりと設けてストレスや緊張をほぐしましょう。
ただ単に緊張した時や強いストレスを感じた時、イライラしてしまった時など一時的に顔がほてってしまうことは珍しいことではありません。
このような顔のほてりの場合には自律神経の乱れは関係していません。
緊張が解けたりイライラがおさまることによって自然とほてりも解消されます。
生理の周期や妊娠によって顔のほてりを感じることもありますが、あまり頻繁に顔がほてるようなら体の不調が原因かもしれません。
ストレスを解消してほてりを解消
自律神経の乱れから起こる顔のほてりの原因は、ストレスを受けることやストレスが溜まった状態が続き、筋肉が硬くなって血流が悪くなってしまうことにあります。
もちろんストレスを減らすことが一番ですが、ストレスの多い現代社会です。
なかなかストレスをなくすというのは難しいことだと思います。
そこでストレスを軽減させるためにも大切なのは、適度な気持ちいいと思える程度の運動を取り入れることによって固くなった筋肉をほぐし、血液の流れを良くしてあげることです。
適度な運動をすることによって筋肉がほぐれると体の熱(体温)は全体に満遍なく行きわたるので、顔のほてりや手足の冷えも偏らずに保つことができます。
筋肉をほぐすのは軽い運動
普段運動する事が少なく意識的に筋肉を使うこともないという場合には筋肉は固まってしまっています。
硬くなった筋肉をほぐすのはハードな運動は必要ありません。
ウォーキングや散歩などの軽い運動から始めると良いでしょう。
ウォーキングなどは第二の心臓と呼ばれるふくらはぎの筋肉を使うので、ふくらはぎのポンプ機能がアップして血液が下半身から上半身へと流れていきます。
「頑張って運動をしないと・・・」と考えすぎてしまうのは、かえってストレスを感じる原因になってしまいます。
例えばバスに乗る代わりに1駅分歩くようにしたり、普段はエスカレーターやエレベーターしか使わないという方はなるべく階段を使うようにしたり工夫しましょう。
いつもより少しでも多く身体を動かすように心がけるだけで筋肉をほぐすことができます。
終わりに
無理に運動しようと身構えなくても大丈夫です。
軽いウォーキングから始めて自宅ではストレッチやスクワットを徐々に取り入れていけば凝り固まった筋肉も柔らかくほぐれてくれます。
無理をせずに、ストレスを溜めないように適度な運動を心がけましょう。