すこやか美生活

ニキビが出来た場所によって体の不調を知る方法

「ニキビができるときは決まって体調が悪い…」

こんな経験がある人は多いのではないでしょうか。

 

これは思い込みではありません。しっかりと理由があります。

ニキビができている状態は体のどこかに異常があるサインです。

裏を返せば、ニキビができた場所によって体のどこに異常があるかを把握することができるということです。

 

ニキビのメカニズム

ニキビができる原因が皮脂だということは広く知られています。皮脂が毛穴に詰まることにより微小面ぽうと呼ばれるニキビ予備軍が作られます。

いわゆる白ニキビです。

 

正常な状態の肌であれば、皮脂腺から過剰に分泌された皮脂や古い角質細胞が固まってできた角質肥厚といった毛穴をふさぐ要因を自浄するターンオーバー機能が働くのですが、ホルモンの異常や不規則な生活習慣によってそのリズムが乱れることがあります。

思春期にニキビができやすいのはそのためです。

 

こうしてできた白ニキビの内部にはたくさんの皮脂が閉じ込められます。すると皮脂を好む悪玉アクネ菌が増殖、過酸化脂質と呼ばれる毒素を産生します。

これが皮膚の細胞を破壊し、炎症を起こし、黒ニキビや赤ニキビにつながっていくのです。

 

これらは体の不調によって起こっている場合があります。

 

ニキビができる場所と体調不良の関係

背中

背中は皮脂が分泌される皮脂腺が少ないことから乾燥しやすい部分です。背中だけでなく皮膚は乾燥状態が続いた場合、乾燥ニキビができやすくなります。これはただの現象ではなく、れっきとした異常です。

乾燥している肌の毛穴は十分な水分がないために次第に細くなっていきます。するとターンオーバーが機能しようとしても古い角質や溜まった皮脂が適切に体外に排除されません。

結果的に皮脂が詰まりニキビへと発展します。

原因こそ通常のニキビ(脂性ニキビ)と少し異なりますが、皮脂が詰まって起こるというプロセスは共通しています。

 

額・頬

額と頬の周辺にニキビができるのは、胃腸に異常があるケースです。

胃腸の働きは食物を消化し、栄養に変え体に吸収させることです。

主に胃・十二指腸でアミラーゼやプロテアーゼという消化酵素によって分解され、小腸でその栄養分が吸収されます。

この機能が低下することにより消化しきれなかった栄養素が不要物となり、さらに毒素となります。行き場を失った毒素は体を巡り、最終的に皮脂と共に毛穴から排出されることになります。

額や頬は体の中でも皮脂が分泌されやすい部位ですので、胃腸の異常による影響を特に受けやすいのです。

 

菌のついた手で鼻を触ることが鼻ニキビの要因であることは有名ですが、実は肺の異常も要因の1つです。私たちが普段当たり前のようにしている呼吸の流れをイメージするとわかりやすいと思いますが、肺などの呼吸器系と鼻はつながっています。

肺に何らかの異常(風邪や肺炎など)が起こり、炎症や乾燥という状態になると鼻の周辺も乾燥しやすくなります。

乾燥がニキビの大敵であることは背中ニキビで説明した通りです。

 

口や首

口や首の周辺のニキビは、体内の男性ホルモンのバランスの乱れが大きな要因です。

中でも男性ホルモンの一種であるアンドロゲンが過剰分泌されることによる影響が大きくあります。アンドロゲンはトリグリセリドという中性脂肪の産生を促します。

このトリグリセリドは皮脂を構成する主成分の1つです。

アンドロゲンが乱れる原因は、睡眠不足や過度のストレスです。男性ホルモンの影響を受けやすい、髭が生える部分である口や首周辺では、アンドロゲンによる異常のサインであるニキビができやすいのです。

女性でもこの部分には男性ホルモンが影響しやすいので、決して例外ではありません。

 

共通する対策法

食生活の改善

動物性脂肪や炭水化物、糖類が多く含まれる食べ物やお菓子などは皮脂を多く分泌させる要因です。

肉類、乳製品、油物スナック菓子などの食べ過ぎには注意しましょう。

 

ビタミンの摂取も重要です。

ビタミンAは角質層内部の水分を保つ因子であるNMF(天然保湿因子)の生成を促します。

レバーやバター、緑黄色野菜に多く含まれます。

ターンオーバーの正常化にはビタミンB2B6 が有効です。

特に補酵素としての働きが期待でき、ビタミンB2は糖質の代謝、ビタミンB6にはタンパク質の代謝といった役割があります。

簡単に言うと、不要物を出し新しく健康な肌を作る機能です。

 

さらに緑黄色野菜や果物に含まれるビタミンCとウナギや鰯、くるみなどに含まれるビタミンEはできるだけ一緒に摂取することをお勧めします。

2つには水溶性と脂溶性という違いがあり、栄養素が血液に運ばれる際に互いの欠点を補う働きをします。

この働きによって全身に効率的に栄養が運ばれ、血行促進やコラーゲンの生成を促します。

 

ストレッサーの把握

ストレスによるニキビへの悪影響は次のようなものがあります。

  • 活性酵素を生み出し角質層のバリア機能低下
  • 摂取したビタミン類の過剰消費
  • 自律神経が乱れ皮脂抑制機能を持つ女性ホルモンのエストロゲンが減少
  • 自律神経が乱れ交感神経が過度に活発化することで男性ホルモンが過剰に分泌

 

適度な緊張や疲労などのストレスは快ストレスと言いむしろ日常生活にはあった方がいいのですが体に異常が現れるほどの過剰なストレス(不快ストレス)は、ニキビはもちろんあらゆる生活習慣病の元凶です。

 

ストレッサーという言葉をご存知でしょうか。ストレスを発生させる要因のことです。

ストレッサーの種類には、外気の温度や天気、薬物、騒音といった物理的・化学的ストレス、老化、睡眠不足、栄養不足、疲労といった生理的ストレス、人間関係、欲求不満、トラウマといった心理的・社会的ストレスなどがあります。

自分が普段何にストレスを感じているのかを把握することが、適切にストレスを解消するための第一歩です。

 

サプリも活用

 

 

ニキビは予防・改善したいけど「ビタミンなどの栄養素をしっかり摂取できているか不安」「仕事や家事に追われて料理をする時間がない」、という方はサプリメントも試してみるといいでしょう。

ホルモンバランスの乱れや疲労・ストレスが主な原因となる顔周辺、口や首のニキビにはビタミンの栄養効果は特に効果的です。

 

しかし、ここで説明したように体の異常がニキビだけでなく循環器系や呼吸器系などの内臓にも認められる場合は、自分で対処しようとせず皮膚科や内科などの専門機関を受診しましょう。