「なんだか今日もスッキリしないなぁ」
「今日も出なかった、お腹がポッコリしてきたな」
と、トイレから出た後に感じる時はありませんか?
そんな時、頼もしい味方になってくれるのは便秘薬、下剤です。
ドラッグストアで簡単に入手できるお手軽な便秘解消グッズがいろいろとあります。
しかし、その便秘薬を使いすぎると逆に便秘になりやすくなるということをご存知でしたか?今回は、そんな下剤が効きにくくなってきたときの対処法をご紹介します。
便秘とは
医学的な意味での便秘とは、大腸にある便の通過がふつうよりも遅れて、便が腸内に停滞します。
さらに、排便困難があり、排便後のスッキリ感がない状態のことをさします。
症状としては、3~4日以上排便がない、便の量のが少ない、硬くて乾燥気味の便、排便時に強くいきまないといけない、腹痛、腹部の圧迫感、残便感などがあります。
下剤の種類
便秘になった時、よく使われる下剤。下剤にはいくつかの種類があります。
機械性下剤(酸化マグネシウム)
機械性下剤には、大腸にある便の水分吸収を抑制する働きがあります。そうすることによって、便を柔らかくするのです。
刺激性下剤(コーラック、プルゼニド、ラキソベロン、ビオフェルミンなど)
刺激性下剤は、腸粘膜を刺激して大腸の動きを活発にする働きがあります。
これらの下剤を使うことによって、大腸に刺激を与え、動きを活発化させ排便を促すことができます。
しかし、人間の身体には、刺激に慣れていくという性質があります。
そのため、下剤を常用していると、どんどんその刺激に慣れてしまい効果が出にくくなってしまいます。
すると、下剤を服用しているのに便秘になるといったことが起こります。
便秘解消法5選
では、下剤が効きにくくなって便秘になってしまった場合、どのようにすればよいのでしょうか。
1.正しい排便習慣を作る
まずは、正しい排便習慣をつけることです。便意をもよおした時だけトイレに行く、という方は多いのではないでしょうか。
しかし、便意をもよおした時だけトイレに行くというのは、便秘解消の観点からはお勧めではありません。
一日のうちで一番腸の動きが活発になるのは、朝です。
朝は交感神経という緊張の神経よりも、副交感神経というリラックスの神経が働いています。
副交感神経が活発な時は、腸の動きも活発です。そのタイミングを利用して、排便習慣をつけます。
方法は、起きてすぐ水をコップ1杯飲みます。そして朝食を摂ります。
朝食後30分程度を目安にしてトイレに行きます。便意がなくてもとりあえず行ってみます。
この時に心がけたいことは、なるべくリラックスした状態を保つということです。
朝は何かと忙しいですが、5分だけ早起きしてトイレに座る時間を確保するようにしてみることをお勧めします。
これを毎日続けます。そうすると、排便習慣が身についてきて自然と便が出るようになります。
2.食事を見直してみる
ダイエットや朝食抜きなどの食生活の乱れは、便秘の原因の一つと言われています。
食事内容を見直してみると、栄養バランスが崩れていることがあります。そういった点の見直しをしてみることは、健康のためにも大切です。
便秘と言えば食物繊維ですが、食物繊維ばかりを摂取してもそれはそれで偏りがでてあまりよくありませんし、飽きてしまいますよね。
実は便秘に効果のある食品は、食物繊維以外にもあります。
それは、脂肪を含んだ食品です。脂肪には、腸内の潤滑油の働きがあります。
便が腸内を通るのを助けるのです。そのためにも、脂肪分は適度に摂る必要があります。
また、水分摂取も重要です。水分は1日1.5ℓ程度を目安に摂るのが理想的です。
水分は、腸から吸収されます。そのため、腸内の水分が少ないと便の中の水分まで過剰に吸収してしまうようになるのです。
便秘を防ぐためにも、1日1.5ℓ程度の水分摂取は心がけるようにしたいところです。
3.運動を取り入れてみる
便秘解消のためには、運動も大切です。腸の動きを刺激するのは全身運動ですが、激しい運動でなくてもウォーキング程度で大丈夫です。
できれば、エレベーダーではなく階段を使う、一駅分歩いてみる、休みの日には散歩をしてみるなどの軽い運動を取り入れることによって、腸が活発に動くようになり、便の運搬を助けます。
ウォーキングができない時には、座った状態膝を片方ずつ胸まで曲げる運動をすると効果があります。
これは、排便に必要な筋肉を鍛える運動です。筋肉を鍛えることによって、排便がスムーズにできるようになります。
4.腸をマッサージする
運動する時間がない方には、腸のマッサージがお勧めです。
方法は、お腹が3㎝程度へこむくらいの圧で、ゆっくり両手の指を使って「の」の字を描くようにマッサージするというものです。1回5分程度、1日2~3セット行います。
朝食後の胃や腸が活発に動いている時間に行うと、より効果的です。
5.腰を温める
腸の運動を活発にするためには、温めるという方法もあります。お腹や腰を温めると、腸の運動が活発になります。
これは、自律神経と副交感神経の働きを刺激するためと考えられています。
腰に温かいホットタオルを当てる、カイロを貼る、半身浴で腰やお腹を温めるなど方法は様々ですが、ポイントは、リラックスできる「気持ちいい」と思える温度です。
熱すぎると交感神経が興奮してしまい、身体が緊張状態になってしまいます。
そうなると、腸の動きは悪くなってしまいます。気持ちよくリラックスできる状態が、腸の動きには大切です。
終わりに
以上、5つの方法をご紹介しました。
便秘は、女性の約6割の人が悩んだ経験があるという調査結果があります。
女性に便秘症が多いという理由の一つには、女性の身体は子宮があり腸の動きを抑制しやすいという説もあります。
女性につきものの便秘ですが、下剤に頼りすぎた便秘の解消はさらに頑固な便秘を生み出してしまいます。
生活習慣や食習慣、そしてマッサージなどを利用してできる限り自然な便秘解消、健康な排便の習慣を身につけたいものです。
もし便秘の時にお腹が痛む場合は、腸閉塞などになっている場合もありますので、何か異変を感じたら早めに病院で診察を受けましょう。